アメリカの大きな祝日のひとつ、サンクスギビング(感謝祭)。2026年は11月26日(木)です。
この日は家族が集まって、ローストターキー(七面鳥の丸焼き)を囲むのが伝統。でも、アメリカ人に「サンクスギビングで一番楽しみなのは?」と聞くと、ターキーそのものより「グレービーとマッシュポテト!」という答えが返ってくることが少なくありません。
グレービーとは、焼いた肉から出た肉汁で作る、とろみのあるソースのこと。ターキーにもマッシュポテトにもたっぷりかけて食べます。日本のスーパーで買える材料だけで作れるので、アメリカの家庭の味をそのまま再現してみましょう。
🦃 まずはサンクスギビングの基礎知識
サンクスギビングは、毎年11月の第4木曜日。収穫への感謝を祝う日で、アメリカではクリスマス以上に家族が集まる大切な祝日です。
ターキーが主役なので、この日は「Turkey Day(ターキーの日)」という愛称でも呼ばれます。
日本で七面鳥はなかなか手に入りませんが、心配いりません。アメリカの家庭でも、グレービーはローストチキンの肉汁でも同じように作ります。むしろグレービーとマッシュポテトこそが「お皿の主役」で、肉はその相方くらいに考えると、アメリカ人の感覚に近づけます。
🥔 マッシュポテトの作り方(4人分)
材料はすべて日本のスーパーで揃います。
- じゃがいも(男爵いも、またはキタアカリ)…600g(中4個ほど)
- 牛乳…100〜150ml
- バター…50g
- 塩…小さじ1(ゆで用は別に少々)
- こしょう…少々
作り方
- じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、水からゆでます。沸騰したら塩を少し入れ、竹串がすっと通るまで15〜20分。
- ゆで汁を捨て、鍋を弱火に戻して30秒ほど揺すり、水分を飛ばします(粉ふきいもの要領です)。
- 熱いうちにマッシャーでつぶします。
- 弱火にかけたまま、バターを加えて混ぜ、温めた牛乳を少しずつ加えて好みのなめらかさにします。
- 塩・こしょうで味を調えたら完成。
アメリカ流のコツは3つです。
- 牛乳は必ず温める。冷たい牛乳を入れると、じゃがいもが冷めて粘りが出てしまいます
- つぶしすぎない。ブレンダーやフードプロセッサーで回すと、のりのように粘ってしまうので厳禁。マッシャーで手作業が正解です
- 盛りつけたら真ん中をくぼませる。そこにグレービーをたっぷり注ぐのが、アメリカの子どもも大人も大好きなスタイルです
お好みで、にんにくのすりおろしやサワークリーム、クリームチーズを少し加える家庭も多いです。
🍗 グレービーソースの作り方
グレービーには2つの作り方があります。本場式の「肉汁から作る方法」と、肉汁がないときの「市販スープで作る方法」です。どちらも材料は日本のスーパーで揃います。
本場式:ローストチキンの肉汁から
ローストチキン(丸鶏でも骨付きもも肉でもOK)を焼いたあとの天板やフライパンに残る肉汁が、グレービーの命です。
- 肉汁と、肉汁から取り分けた脂(なければバター)…大さじ3〜4
- 小麦粉…大さじ3〜4(脂と同量)
- 鶏ガラスープ(水+顆粒鶏ガラスープの素)…500ml
- 塩・こしょう…少々
- 肉汁を計量カップに移し、少し置いて脂を上に浮かせます。脂を大さじ3〜4取り分け、フライパンに戻して弱火にかけます(脂が足りなければバターで補います)。
- 小麦粉を加え、泡立て器で混ぜながら1〜2分炒めます。これが「ルー」です。少し色づくまで炒めると、香ばしくなります。
- スープを少しずつ加え、そのつどよく混ぜてダマをなくします。残りの肉汁も加えます。
- 弱火で3〜5分煮て、とろみがついたら塩・こしょうで調味して完成。
覚え方は簡単で、「脂 大さじ1+小麦粉 大さじ1」で約240mlの液体にとろみがつきます。
手軽式:肉汁なし、市販スープから
- バター…40g
- 小麦粉…40g(大さじ4と1/2ほど)
- 鶏ガラスープ…500ml
- しょうゆ…小さじ1(隠し味)
- 塩・こしょう…少々
作り方は本場式の2〜4と同じ。バターでルーを作って、スープを少しずつ加えていきます。
隠し味のしょうゆは、アメリカの家庭でも実は知られた裏ワザです。本場では「キッチンブーケ」という色付け調味料を使うことが多いのですが、しょうゆで代用すると色もコクも近づきます。
とろみが足りなければもう少し煮詰め、濃すぎたらスープを足してください。塩加減はスープの素によって変わるので、最後に味見をして調えるのが確実です。

💬 グレービーにまつわる英語表現
最後に、ブログらしく英語の表現をひとつ。
gravy train(グレービー・トレイン)
直訳すると「グレービーの列車」ですが、意味は「楽をして儲けられる仕事、おいしい立場」のこと。肉汁=おいしい汁、というイメージから生まれたスラングです。
例:He got a job on the gravy train.(彼は楽して儲かる仕事に就いた)
It’s all gravy.
「それは全部おまけだよ」という意味。基本の給料や成果に加えて入ってくる、うれしい余分を指します。
グレービーが「余分なおいしさ」として英語の比喩にまでなっているのを見ると、アメリカ人にとってこのソースがどれだけ愛されているか分かりますね。
今年の11月26日は、ローストチキンとグレービーとマッシュポテトで、ちょっとだけアメリカの食卓を再現してみてはいかがでしょうか。