しばらく、記事書いていませんでした。重度難治性振戦のトゥレット症候群ですが、ここにきて、もう一段階よくなりました。まだ、根治とは、言えませんが、かなり、うっとおしかった、口のチックがだいぶ良くなりました。
今までは、良くなりながらも、下唇が前に突き出る不随意運動と、上唇がすぼむように動く不随意運動が残っていました。人前では、ほとんど出ることはなかったのですが、家で過ごしているときは、どうしてもこれらのチックが出てしまいました。開道先生に指導されたように、鼻呼吸で息を長く吐いてみたり、広角を上げてみても、ここが一つの壁となっていて、なかなかよくならない期間が続いていました。
きっかけは、再就職活動を始めたことなのですが、書類が通って、面接を受けに行くために、車で飛行場まで向かっていた時のことです。ふと、奈良医療センターで、イェール大学のチックのスケールで評価していたことを思い出しました。正確には、イェール全般的チック重症度尺度(YGTSS: Yale Global Tic Severity Scale)と言うのだそうですが、これがどのようなスケールなのかは、あまり知られていないようです。インターネットで検索してみても、その内容とについては、出てきませんでした。
これについて、開道先生に尋ねたのですが、どうも、ネットでは日本語に翻訳されて公表されていないようです。私もコピーがあれば、もらいたかったのですが、できませんでした。ただ、開道先生は、このイェール全般的チック重症度尺度(YGTSS: Yale Global Tic Severity Scale)を一つの評価尺度として、治療の進み具合を確認します。先生は、このスケールを自分で、翻訳したと言っていました。
そこで、YGTSSもしくは、Yale Global Tic Severity Scaleで、グーグル検索を行うと、英語ですが、このスケールがネットでも出てきました。”このページを訳す”をクリックすると、不完全ですが、和訳も見ることができます。その中に、チックの周期についての質問があります。どのくらいの間隔でチックが出るかで、重度が評価されます。2回目の診察の時、「3時間チックがでないことがありますか?」と尋ねられたのですが、「それは、無理です。」と答えたのを覚えています。
で、チックが出ない時間、計ってみたら自分でも評価できるんじゃないの?という思考で、運転しながら、口のチックがどのくらいの周期なのかを測ってみました。ちなみに、車を1人で運転しているときは、人に見られることもない状況に近いので、自宅にいる時のように、チックが出てしまいます。
結果、私の口のチックの周期というのは、外でない場合は、1分以内ということがわかりました。2回目もそのくらいでした。では、まずは、1分抑えてみようと意識して、次は、2分という風に、意識したら、4回目くらいで、3分くらいの間隔になりました。そうすると、そこからは、ほぼずっと抑えることができるようになりました。なんとこの単純そうな方法で、ワタクシの場合ですが、唇がすぼんだり、突き出たりするチックをほぼ克服することができました。外で出ることは、ほぼなかったとはいえ、これは、大きかったです。それでも、まだ、口の中のチックが残っているので、課題は、まだあるのですが、今までとは、うっとおしさが全然違います。
面接担当の人事部長からは、トゥレット症候群がどのような病気で、どんな治療をしているのかだとか、どうやって良くなったのかとか、どのような配慮が必要なのかということを尋ねられました。それで、病気の症状が振戦であることや、呼吸法やイェール大学のスケールを用いて少しづつ周期を伸ばして、治療をしていることを伝えました。ですので、頻繁に通院する必要がないこともわかってもらえました。やっぱ、呼吸法で治療できて、良かったと思います。
大事なところは、やはり仕事ができる人物かどうかのようで、ほぼ治りかかったトゥレット症候群については、どのような配慮が必要かということが主でした。そういう職場のようで、良かったと思っています。結果は、しばらくかかるということですが、終始、穏やかな笑顔の中で、面接は無事終わりました。
多少は、転職活動が、治療にもプラスに働いたかなと思いました。面接を前に、かなり治りたいという思いが強かったですし。今回で、私のトゥレットは、根治はしていないものの、本当に、他人からは、ほぼわからないレベルから、家の中の家族でもあんまりわからないレベルまで治ってきました。一緒に住んでいる妻は、最近は、私がトゥレット症候群であることを忘れかけているようです。でも、家では、いまだに小さな音声チックが出ることもあります。
退職した頃は、恐ろしいほど重度のチックだったため、雇用保険については、妻が職安で、延長措置をしました。それで、今のところ、雇用保険は受けていません。あともう少しの期間ですが、傷病手当を受けながら、生活しています。妻は、専業主婦のため、はっきりいって、家の家計は、見事な赤字です。傷病手当って、働いていたころの2/3くらいの金額しかもらえないし、ボーナスも出ません。その上、社会保険料の等級は下がらない制度になっています。社会保険料って、明らかに、上がりやすく下がりにくい制度になっていますので、仕方がないのかもしれませんが、休職中くらい、下げてくれよと思います。
実際、貯金や退職金は、あっという間になくなりました。治療費だってかかるし、難病を治療できる医師となると、本当にいないので、遠くまで通院することもあり、交通費や宿泊費だってかかります。そのため、治療法が呼吸法で、かなり助かっています。しかも、開道先生の診察って、中身は濃いと思いますが、3割負担で220円しかかからないのです。薬も一切出ません。これは、国立病院の強みかなと思ってしまいます。奈良まで行くのに、交通費は、かかりますけどね。
さすがに、長かったドクターストップは解除できるのかなと思いますので、雇用保険の延長措置は、近々解除できると思います。賃貸アパートの更新書類ももうすぐ届く時期なもので。もたんよ、お金が。