新世界に比べると、あべのハルカスは、シンガポールのマリーナベイサンズを思わせるようなおしゃれな雰囲気です。高さも郡を抜いています。展望台の高さは、さすがに、スカイツリーの展望台よりは低いのですが、六本木ヒルズの展望台よりも高いそうで、こんなビルが大阪にできているとは、知りもしませんでした。大阪に来ることなんか、ここ数年なかったし。

16階の屋上ガーデンでも、かなり眺めがいいのですが、展望台は60階にあります。16階から上を眺めても、60階とか、どれだけ、高いのだろうと思ってしまいました。実際にエレベーターに乗って昇ってみると、高いというものではありません。下を見るのも怖いくらいの高さです。未体験の高さのせいか、ガラスばりの壁に、まるで吸い込まれそうになってきます。だんだん、感覚も麻痺してきて、恐怖心もなくなり、景色を楽しむようになりました。照明も落としてあり、ガラス張りのせいか、ふわっと浮いたような感覚と落ちてしまうのではないかという感覚を覚えます。BGMも空に浮いたような音楽が流れています。

平日の夜ということもあり、客層は中国からの観光客が多いようでした。ぐるっと一周しているうちに、若干、チック症(トゥレット症候群)で、口が動きました。最上階は、夜景が見やすいようにライトダウンしていて、顔も見えないせいか、気も緩んでしまいます。不随意運動でも、いくらかは、コントロールできるのがチック(トゥレット)の特徴なのだそうなので、抑えようと意識することも大切なのでしょうか?

どの時点で、治ったことになるのかは、よくわかりませんが、あべのハルカスの展望台に一人できて、こんなところから落ちて死ぬようなことは、勘弁してほしいと思いながら、ガラスにくっつくように外を眺めています。そして、クリスマスイルミネーションを思わせるような夜景に、吸い込まれるように感動するようになっているので、随分良くなってきたのでしょう。今のところ、自分の部屋に戻ると、症状が出てしまうというところが課題なのですが、ここからなかなか治りません。でも、ちょっと前までは、こんなところに来たくても、絶対無理な状態でした。

再就職をモチベーションにでもいいので、仕事に戻るまでに、もう一段階、よくなりたいと思います。せめて、自分の部屋でも、抑えることができるようになりたいと思います。まだまだ治療が必要な段階ではありますが、感覚でもいいので、体や脳に、不随意運動が出ていない状態を覚えこませてでも、よくしていきたいと思います。外に出ている間は、人目があるとはいえ、抑えることができるのなら、リラックスしているときでも、なんとかできるかもしれません。

しかしながら、こればっかりは、自分の意識とは、関係なく起こるものだし、どうしても、外に比べて家の中でリラックスしているとチック(トゥレット)が出やすいというのも事実です。そんなわけで、呼吸法がメインの治療で、治療自体は全く苦にならないのですが、完全に直すことは、まだできていません。それでも、呼吸法を始めてから、約1か月くらいで、この変化は、いかにチック(トゥレット)に対して、呼吸法が有効かを物語っていると思いました。

自分のアパートも離れ、一人でいるため、治療にも集中できる環境なのかもしれません。呼吸法で治すことの利点は、痛みもないし、日常生活を取り戻しながら、常に24時間治療ができることです。目に見えるほどの劇的な改善ということはないのですが、時間をかければ、良くなってはいくように感じています。串カツを食べたり、あべのハルカスで夜景を見ることだって、長い間、何もすることができなかった私にとっては、リハビリみたいなものなのです。家に引きこもって、不随意運動が出やすい環境にあるより、若干の刺激も必要だと思います。

今までは、チック(トゥレット)の症状が、あまりにもひどすぎたため、1年半くらいの間、引きこもるしかありませんでした。少しでも、不随意運動が出ない時間が長くなり、普通だった頃の感覚と重ねることができれば、家の中でも、良くなってくる可能性が高まるのではと思います。そうすれば、仕事に戻るなりしていくなかで、さらに、少しずつでも軽くなっていくかもしれませんし、そうなってほしいと願っています。

痛みを伴う治療や、わけのわからない薬を飲まされることが治療効果が高いかといえば、そういうことは絶対にありません。そのため、もともと薬も一切飲みませんし、鍼治療もやめてしまいました。もうDBSも、一切考えていません。大阪ショルダーセンターで、肩の関節鏡下手術を受けるだけでも、術前検査をしっかり行い、当日は全身麻酔を打ったり、入院したり、術後は痛むし、リハビリもしたりと、結構、大変だと思いました。これで、頭に穴を開けた手術で、脳に電極を埋め込み、体に機械まで入れるとしたら、どれだけ、大変なのだろうかと思いました。リスクがあるうえに、治るかどうかは、やってみないとわからないようなところもあります。

本当に、チック(トゥレット)専門の医師から、呼吸法の治療を教えてもらうことができて、良かったと思っています。医師の選択を間違っていたら、さらに、悪い状態になっていたかもしれません。人生って、一回勝負で、まだ半分くらいしかきていませんが、このくらいになってから、危ないことが結構ありました。これからもまだまだ、闘病生活が続きそうです。

あべのハルカスの展望台ですが、59階に降りると、空が見えるカフェがあり、吹き抜けになっています。周りはガラスばりでも、外気に触れることができます。夜でしたが、季節も良かったため、気持ちの良い空間でした。59階にあるトイレはガラスの壁に面していました。当然、誰からも覗かれることはありません。展望台に昇ったのが21時で、営業時間は22時までだったので、スタッフの皆さんは、片付けを始めていました。カフェのラストオーダーも終わりました。もう一度、60階のエスカレーターに乗ろうとしたのですが、もう時間がないためか、通行止めになっていました。1時間だったせいか、あっという間でした。

次は、元気になって、夫婦で来てみようと思います。私の奥さん、大阪の串カツ好きだし。

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