大阪に鍼治療にきました。大龍江中国医療センターというところです。ここの治療院は、大人のチック症の患者も治ったという治療実績があったのと、重度チックに対するDBSの実績のある、奈良の病院受診のついでです。鍼治療で治ればいいのですが、保険も効かないため、費用も10割負担ですし、治療は長い道のりです。完治できるかどうかもわかりません。実績はあるのですが、本気で治すつもりで治療するのなら、相当な出費を覚悟しなくてはなりません。もちろん、治ることを保証されているわけでもありません。
過去にメディアでも取り上げられている中国医師による東京の鍼治療を受けてみて、すぐにやめたことがありました。そこの治療に比べると、患者思いのしっかりした治療だという印象を受けました。鍼を刺す本数も、全然違います。ホームページで見る限りは、東京の鍼灸院も難病に効果があるという点は、同じなのですが、鍼がすぐに抜けることもあったし、とても痛くて出血もしましたが、無視されたことを覚えています。時間になったら、はいおしまいという流れ作業のような治療で、痛いだけだったし、続けることもなかったためか、効果もありませんでした。
大龍江中国医療センターでは、どちらかというと、チック症のある子供達が多く治療を受けていて、全国各地から来られているそうです。それと、治療時間も長いのと、チックに対して、実際に治療を受けて良くなっている実績があるという違いがありました。そんなに広い治療院ではなく、待合室も使って子供達が治療を受けているのですが、職員の数にも余裕がありました。私の場合は、大人でもありますし、これがチックの部類に入るの?というぐらいの重さなのですが、神経内科の先生の判断では、チック症なので、ここの治療で、チック症が治るのなら、もしかしたら、重くても可能性があるかもしれません。
どちらにしろ、DBSを受けても、必ず治るとは限りません。また、DBS手術自体も頭に穴を開けて、脳に電極を埋め込んだり、体に機械を埋め込んだりと、避けることができるのなら、心から受けたい手術ではありません。リスクもいくらなは負わなくてはなりません。それでも、この苦しみから解放され、仕事もできるようになるのなら、受けないわけにはいきません。鍼にしろ、脳外科の手術にしろ、治ることを願うばかりです。可能性がある治療があるだけマシな方なのかもしれません。病院の医者が受け入れることもない厄介極まりない難病なのです。
ただ、大龍江中国医療センターでも、私ほど激しい顔面の不随意運動を抱えた患者はいませんでした。院長の言う症状の重いという患者でも、私のように顔が激しくゆがんだり、首が不規則に動いたりするようなことは決してありません。院長は、私のような大人の患者も治療してきたそうなのですが、やはり、顔が恐ろしくゆがんで顔面の筋肉が激しく収縮するような症状が、本当に治るんですか?と思ってしまいます。子供の患者が多いですが、保護者の方々はは、いつも学校生活のことを話していますし、大人の方でも、生活が成り立たないほどの苦しみを抱えた患者はいません。みんなスタッフと冗談を交わしながら、治療を受けることができる余裕があります。私のように、笑う余裕もない苦しみを抱え、傷病手当を受けながら、治療をしている人は、聞こえてくる範囲ではいらっしゃいません。
それぞれの方が、普通よりは、ハンデを背負っていらっしゃいますので、普通の人にはない苦しみを抱えています。まして、私は、子供時代、サッカーなどで、よく怪我はしていましたが、チック症や重い病気に苦しんだという経験はありません。それでも、今の私の症状が、決して特別ではないと言えればいいのですが、不随意運動に関しては、自分が一番重い症状であるという現実は、ここにきても、変わることはありませんでした。ここで、治るかどうかもわからないまま、気の長い治療に投資するか、DBS手術を思い切って決行するかの選択になります。もちろん、奈良の病院で、担当医の診察を受けてみないことには、最終的な判断はできませんが、少なくとも、このようなことにかかわらずに済む普通の人たちのことが本当に羨ましいです。いい加減、もうこの苦しみから1日も早く解放されたいところです。
正直言って、治る可能性については、半信半疑より、まだ、信じる力が足りないくらいです。今の私にとって、電気鍼だって、そんな気持ちの良い治療ではなく、口の痛みが激しいために、頭に鍼を何本も刺して、電気を流すこの治療自体は慣れればそうでもないのですが、この症状を抑えながらの治療はけっこう苦痛です。顔はとても痛みます。子供達も受けている治療なのですが、とにかく、他の患者とは、症状の重さや痛みがあまりにも違うということもあ流のと、すぐに効果がでる治療ではないため、このままお金を投下してまで、治療を続けるべきか正直、迷ってしまいます。1日目の治療が終わってみても、私の激しい顔面の不随意運動は止まることがなく、後ろ向きな気持ちがありますが、とにかく、1週間は、この大阪の京橋で、治療を受ける毎日を続けてみます。