重度チック症(トゥレット症候群)の唯一効果的な治療法として、チック(トゥレット)専門医の開道先生から、呼吸法を教えてもらってからというもの、この健康と美容にも効果のある呼吸法の習得に努めています。単純に、口呼吸から、鼻呼吸に変えるだけでも、効果があります。全然知らなかったのですが、人間の本来の呼吸器というものは、鼻なのだそうです。鼻を通すだけで、フィルター効果があり、ウィルスなどの侵入を抑えることができます。また、舌の位置も、上顎にくっついているのが正しい位置ということで、こうするだけで、顔の形に良い影響があるのだそうです。呼吸法自体にも、体を引き締めたり、病気になりにくい体になったり、人間関係にまで良い影響があるというので、びっくりします。たかが、呼吸で、この恐ろしい不随意運動まで治ってくるということは、さらに驚きです。
開道先生の教えてくれた、呼吸法は、5秒で吸って、2秒止めて、10秒で吐くというサイクルです。もちろん、この長さを一日中、行うわけではないということですが、慣れないうちは、この長い時間をかけて吐くということが、難しく感じられました。呼吸法についての知識もなく、図書館で、本を10冊借りてきて、必死に読みました。雑誌のクロワッサンにも特集があり、その美容効果も高く評価されています。
呼吸法の本をたくさん読んでいく中で、有効だと感じたのは、腹圧式呼吸法という方法でした。腹式呼吸との違いは、詳しくはわかりませんが、あまり力を入れずに、圧を利用して自然に空気を吸ったり、吐いたりする方法のようです。習得するには、マウスピースなどの器具を用いて、数ヶ月の訓練が必要だそうですが、そこまでは試していません。こんなものかなという感覚で行っていますが、そこそこ不随意運動が抑えることができるようなので、最近は、息を吸うのも吐くのも、鼻呼吸で行っています。
詳しい習得方法が載っていたのは、「奇跡の呼吸法」という本でした。著者はひどいどもり症だったことで、家族生活もうまくいかず、育児からも遠ざけられ、離婚するなど、苦い経験をしてきたたそうです。しかし、呼吸法によって、どもりを克服してからは、自信がついて、ふたまわりも若いミスジャパンの女性と再婚されたと書いてありました。かなり極端な話ですが、ビフォーアフターは、よくわかりました。呼吸で人間って変わっちゃうのですね。
私の場合は、呼吸を意識して、重度のチック症(トゥレット症候群)の克服に挑戦しています。わかったことは、そんなに簡単に治るものでもないし、もしかしたら、かなり長い期間、付き合う病気になるのかもしれないということです。近未来で、医学が急速に発展するとすれば、もっと簡単に根治に至る病気になるのかもしれませんが。
それでも、周りの人の目には、ほとんど治ったように見えるそうです。実際、チック(トゥレット)というものは、少しの間なら止めることができるという不随意運動に分類されるそうです。だから、外では、意識的に抑えやすいのですが、問題は、自分の家にいるときになります。リラックスしているときは、意識的に抑えようとしないせいか、鼻呼吸で生活したとしても、以前のようなチックが出てしまうことがあります。その度に、呼吸や口の形、下の位置なども見直したりしてするのですが、完全にチック(トゥレット)がなくなるということは、今のところはありません。開道先生にも、根治に至るかは、よく聞いてみる必要があります。口の形のついては、広角を上げることがポイントなのだそうです。これも、美容効果が高いことがわかっています。
チック(トゥレット)の治療と言いながら、まるで、美容と健康のトレーニングをしているような気持ちになりますが、今までにない、斬新な治療法だと思います。痛くも苦しくもありませんし、天然資源を利用するので、財布にも優しく、いつでも、どこででも治療ができます。今の目標は、家の中でも、止めることができるようになることですが、けっこう、時間はかかりそうです。
そういうわけなので、仕事に差し支えのない程度まで抑えることができるようになったら、仕事に戻ろうかなと思っています。そうしながらでも、治療自体は、毎日、毎時間行うことができますので。以前の仕事は、かなりおもしろかったのですが、残念ながら、この難病のせいで、断念せざるを得ませんでした。また、会計を生かしたマネジメント業務をやってみたい気持ちが強いです。それも、不可能ではないところまで、回復しつつあります。