奈良医療センターの受診ですが、検査としては、血液検査と脳のMRIを撮ることになりました。おそらく、異常なんてないのですが、重度チック症(トゥレット症候群)の専門の先生が診てくれるので、何か発見があるのかもしれません。万一、DBSを受けることになった場合は、ターゲットを決めるためにも役に立つかもしれませんし。
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血液検査はすぐに終わったのですが、MRIは、1時間半くらい待たないといけないそうなので、その間に唐招提寺を見に行ってきました。でも、入場料がいるので、外から眺めただけなのですが、あの有名な建物を見ることができたので、満足しました。さすがは、奈良で、修学旅行生がたくさん見学していましたが、西ノ京では、鹿はぜんぜん見かけませんでした。特に、食事もしないままでしたが、あとでマックを食べることにしたので、そのまま、奈良医療センターに戻りました。
大阪ショルダーセンターでの左肩のMRIに続き、今度は、脳のMRIを撮りましたが、本当に、MRIってなんであんなうるさいのだろうかと思ってしまいます。音も変だし、まあ、どうでもいいのですが、こんな診察を受けることが多くなったものだと思います。
MRIも終わり、いよいよ、開道先生の再診です。検査結果に異常はないと思うのですが、チックに有効な治療法もあるということなので、少し、期待もしています。大阪の鍼治療院がチックに対する実績があるとはいえ、私のようなヘビー級のチックが鍼治療で治るかどうかなんかわかりませんし、お金もたくさんかかります。保険が効かない以上、毎月、旅費も含めたら、20万円以上もかかるし、絶対治るという保証がない限り、躊躇してしまうのは、当たり前だと思います。
しばらく待った後、名前を呼ばれて、診察室に入ると、血液検査とMRIの結果について、説明がありました。血液検査は、少し足りない数値もありましたが、これは、正常な範囲だそうでした。次に、脳のMRIを見せてくれて、脳血管の3D映像や、もし、手術するならDBSのターゲットとなる視床の位置などを説明してくれました。当然、異常なんか見当たりません。しかしながら、先生がいうには、脳に異常がないことがトゥレット症候群の診断の裏付けになるのだそうです。やはり、私の病気は、トゥレット症候群というか、重度難治と言われるチック症なのでしょう。難治と言われるだけあって、本当に治りませんし、激しさは増すばかりのような気もします。なんとかしてほしいところです、本当に。
そして、このトゥレット症候群についての説明がありました。この病気は、脳の報酬系と関係がある病気なのだそうです。脳というのは、普通、何か達成したら、よくやったという報酬が働くのだそうです。また、普通は、必要以上の動きをしないことに対しても報酬が働くのだそうなのですが、これができなくなってしまうのがこの病気だそうです。以前は当たり前だったのですが、今の私には、特に意識することなく顔の不随意運動を出さないということができません。実際は、手や腕にもあるのですが、そちらの方は、比較的、抑えることがやりやすいです。一番難しくて、苦しいのが、口のチックで、口の周りの筋肉というのはとても動きやすくできているようです。まず口が引きつって、顔全体がゆがんでしまい、表情筋が激しく動きます。特に、口というところは、ちょっと不随意に動くだけでも、周りからみれば、すごく大きな動きに見えますし、大抵は、口から不随意運動が始まります。
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これは、この病気でない人からは考えられないことでしょうが、本当に、本人の意識とは無関係に動くのです。それが、まばたき程度のかわいらしいものなら、十分耐えることができるのでしょうが、そんな生易しいものでは、ありません。最初は、目をぎゅーとつぶる動きから始まったのですが、連続して起こり、これだけでも相当な苦痛でした。
それと同時に、頚椎を痛めたことによるのですが、仕事の能率が大幅に落ちてしまい、頚性神経筋症候群の症状がかなり悪化したことを覚えています。本当に、知的障害になったのかと思ってしまったくらいです。本で読んではいたのですが、ここまでのものとは、思ってもいませんでした。本当に、病気なんかになるものではありません。信じられないことに、職場の電話対応すら、まともにできなくなってしまいました。頚性神経筋症候群という病気も、相当厄介な病気です。絶対なりたくないようなたくさんの不定愁訴が襲ってくるのですが、首の後ろの筋肉が良くならない限りは、治らない病気と言われています。当然、有効な薬がありません。交通事故のむち打ちとほぼ同じような症状になります。
このダブルで苦しい難病にかかってしまったうえに、首に激しい不随意運動が始まってからは、頚性神経筋症候群の治療は絶望的でした。その時知っていた頚性神経筋症候群の治療法というのは、松井病院が行なっている、首の電気治療だけで、首は絶対安静での集中治療をするしかないということでした。随分後になって見つけたのですが、細野クリニックが骨格を改善することによる頚性神経筋症候群の治療を行なっていたことで、なんとか治療への糸口を掴むことができました。それで、いくらか不定愁訴が改善された後、改めて、このヘビー級の重度チックがいかに生活を蝕み、苦しみの原因であるかがよくわかりました。当然、両方が一番重い時は、それは、凄まじかったです。なんでこんなにと自分のことながら思いました。
ところで、私の場合、かなり重いチック症なのですが、子供のころからのものでは、ありません。首を痛めたことから、なぜか、このような重度のチック症になってしまいました。これに対しても、開道先生は、それは十分あり得るということでした。ということで、私のチックの原因は、首からということになりますが、このチック症は、細野クリニックの治療では、治らなかったため、それとは別に、脳の報酬に対する不具合も治療しなければならない羽目になってしまっています。これも、本当に厄介な病気です。根治できなければ、この脳の不具合と付き合いながら、生きていかなければなりません。そして、私の不随意運動は、かなりの痛みと苦しみを伴っています。
傷病手当が出るのもあとわずかの期間しかありませんので、なんとか、仕事ができるくらいには、持っていきたいところですし、やはり、この苦しみから、抜け出したい気持ちは相当強くあります。毎日、自分ではどうすることもできない痛みとの闘いにも、もう、お腹いっぱいで、そろそろ解放されて、仕事したり、普通に生活したりしたいです。機能神経外科の門を叩くということも、けっこう、思い切った決断だったと思うのですが、それくらい、追い込まれていることには間違いありません。
奈良医療センターまできて、トゥレット 症候群が専門の開道先生の診察を受けることができたおかげで、この病気のことについては、よく理解を深めることができました。よくぞ、このような難病を専門にしてくださったと思います。普通の医者なら、私のような患者は当然スルーでしょう。次は、いよいよ、この難病に対して、DBS以外の有効な方法についてです。