ついに、やってきましたが、重度難治性チック症(トゥレット症候群)で、奈良医療センターの受診になります。予約は9時からで、朝一番の診察となります。奈良では、近鉄奈良駅近くのミニイン奈良というホテルに止まりました。ここは、なんといっても安くて綺麗なホテルでした。ブッキングコムで、予約ができるのですが、バストイレ付きのダブルルームが二人で3,600円代で泊まれました。週末は、もっと高いそうなのですが、今の生活では、前のように土日祝日を利用しての旅行をすることもないので、平日に安く泊まることが多くなりました。
夜は、すぐ近くにある「ぷくぷく」という、美味しいトンカツ屋さんで、食事をしました。このお店、内容も健康的な料理で、メインのトンカツもかなり美味しかったです。値段は、120gで1600円と、奈良にしては、少々高いかなと思いましたが、人気店らしくて、夜は予約をしないと入れません。客層は、年配層でしたが、120gのトンカツが値段的にもお得なため、みなさん、120gを注文されていました。その後、五重の塔なども散歩がてら、見てきましたが、カメラを抱えた、おじさんたちがたくさんいましたし、商店街には、修学旅行の小学生たちが、お土産を物色していました。最近の小学生は、こんな時間でも、お土産買ったりできるのかと思いました。さすが、奈良は、来たことはありませんでしたが、日本を代表する観光地の一つです。妻がいうには、鹿が山ほどいて、匂いもすごかったそうな。
奈良医療センターは、近鉄の西ノ京駅というところで降ります。大和西大寺という駅で、乗り換えが必要なのですが、そんなに時間は、かかりません。西ノ京駅には、ホテルらしきものがないようです。それでも、有名な唐招提寺があったので、診察の合間に見に行ってきました。まさか、観光でも来る予定はあまりありませんでしたが、それ以外の目的で、奈良まで来るとは思ってもいませんでした。
開道先生の診察ですが、まず、症状の問診から始まり、チック症(トゥレット症候群)についての説明がありました。ここで、なんだか分厚い辞書のような本を手に取り、医者がチック症(トゥレット症候群)に出してもいいとされる薬というものは、ないということを説明してくれました。有効なものがないということなのでしょう。そういうことがきちんと決まっているのなら、なぜ、神経内科や精神科は、チックに対して薬で治したがるのか、いまいちわかりませんが、病院というのは、そんなものなのでしょう。それしか治療のしようがないし、薬出さないと儲からないし。
色々話を聞いていくうちにわかったのですが、あたり前のことなのでしょうが、私が思っていた以上に、チック症(トゥレット症候群)について、よくご存知です。さすが、専門としている先生は違います。ネットで流れている(チック症)トゥレット症候群の情報とは、全然違いました。最先端で臨床や手術、研究に携わっているからでしょうか。きちんとした医者の診察を受けることができたので、はるばる奈良まできたかいは、十分あったと思います。そして、次に言われたのは、現在、DBSの治療は、重度チック症患者に対して、ほとんどしていないということでした。はっ?そうなんですか?2年前の記事になりますが、開道先生の重度難治性チックの患者に対してのDBS治療のことは、ネットで、簡単にたどり着くことができるというのに。2年も経つと、医学って進歩してしまうのですね。
なんでも、もっと有効な治療があるのだそうです。過去にDBS手術をした患者に対しても、その治療は有効だそうで、もし、この治療方法をもっと早く見つけていたら、重度チック症患者に対しても、DBS治療はしなかったそうです。それだけ、DBS治療は、リスクも大きいということでした。脳神経外科医として、DBS治療のリスクについても、しっかり説明してくれました。まあ、リスクは、あるでしょうね。なんせ、頭蓋骨に穴を開けて、脳に電極を差し込み、体内にもペースメーカーを埋め込むという、普通なら、まず、やりたくない手術なのですから。それをリスクとして、きちんと説明して、あえて積極的に勧めないところは、かなり好感がもてました。
脳血管を傷つけたり、機械を埋め込むことによる感染症のリスク、などなどについて、詳しく教えてくださいました。それでも、最後の手段として、これまでは、重度チック症に対して、20件以上のDBS手術を行われてきたそうです。特に、結婚や社会適応の境界となる25歳くらいを目処にして。最高で、30代だそうです。
私は、かなりひどい重度チック症のため、それでも手術してほしいという気持ちが痛いほどわかります。しかしながら、それをしたくないから、有効な治療がない中で、高いお金を払ってまで、けっこう痛い鍼治療を30時間もして、機能神経外科の診察に来たわけです。もう最後の手段に出るしかないと思って。
とにかく、遠くから来たということもあり、血液検査と脳のMRI検査をすることになりました。それから、もう一度、開道先生の診察があります。その検査結果もふまえて、現在、重度チック患者に対して行なっているという、有効な治療方法についての説明もあるのだそうです。どんな治療かはわかりませんが、そんないい治療があるのなら、かなり期待ができるのかもしれません。