今日は、大阪ショルダーセンターの術前検査の帰りで、大阪の天王寺駅近くにある阿倍野ハルカスというところにきています。私のチック(トゥレット)は、あまりにも激しいため、左肩のインピンジメント症候群まで患ってしまい、肩の専門医から、関節鏡下手術を受ける必要があるためです。
ここは、16階なのですが、眺めもよく、いい気持ちです。展望階は60階ということなので、どれだけ高いビルなんだと思ってしまいます。14階までは、近鉄のデパートで、その上はオフィスやホテルになっているようです。16階に美術館と展望台のエレベーター口があります。この高さでも、十分眺望がよく、季節柄、外に出ても気持ちよく感じます。こんな場所にこれるようになったことを考えるたびに、随分と体がまともになってきたと感じることができます。重度チック症(トゥレット症候群)なんて、辛いだけの病気です。呼吸法で抑えてしまえることは、本当にありがたいことでした。もう、治療すらしないペインクリニックや、偉そうなことを言うだけの地元の総合病院とは無縁でいられますし、リスクばかりが大きいDBS手術もしなくて済みそうです。
呼吸法と関係あるのかどうかわかりませんが、大阪ショルダーセンターで、心電図を測ったのですが、心拍数が低いと言われました。スポーツをしてましたか?と内科医と麻酔科医の先生から尋ねられたので、テニスなどをしていることを伝えました。それで、スポーツによる変化でしょうねと言われました。でも、毎年健康診断で心電図を測っても、そんなことを言われたことはなかったので、もしかしたら、口呼吸から鼻呼吸に変えたことや呼吸法を身につけようとしてきたことによる変化なのかもしれません。不随意運動も随分とコントロールできるようになりましたした。しかしながら、まだ、ホテルに戻ると不随意運動が出やすいのですが、外にいるときは、ほとんど抑えることができています。
1ヶ月前とは、まるで別人です。あの頃は、DBS手術の決意までして、その前の最後の治療として、チックに実績があるという大阪の鍼治療院に来ました。高いお金を出したわりに、たいして効果がなかったことは、がっくりしました。もう、最後の手段と思って奈良医療センターの機能神経外科の門を叩きましたが、驚いたことに、患者本位の開道先生の勧めてくれた治療法は呼吸法でした。あれからの半月、必死に効果的な呼吸法というものを試し続けてきたのです。
最初から、機能神経外科で手術してみようと思う人なんていないと思うし、有効な治療法というものが確立されていない難病のため、ここまでたどり着くために、随分と苦しむ時間は長くなりました。その間には、会社に復帰することもできずに、退職を余儀なくされ、傷病手当を受けながら、孤独に暮らしてきたのです。働けない分、妻側の風当たりも強かったのですが、それにも耐えてきました。できれば、もっと別の病気にして欲しかったと思いながら。それが、まともな治療を手にすることができたため、ここまでの回復を見せることができました。
今回滞在のホテルは、また、アパート形式で、ブッキングコムで見つけたわりと新しい物件です。ホテルアパートメントの方が洗濯もできるし、自炊もできるため、長期滞在には便利です。今回は阿波座という駅の近くに泊まっています。このたびもホテルへの道で迷ってしまいましたが、お巡りさんに尋ねたりしながら、なんとかたどり着けました。設備も新しく、トイレと風呂も分かれているので、気持ちよく過ごせます。当然、シーツ交換はありませんが、その分、ホテルより安いし、広いので快適です。ライフというスーパーで、食材や炭酸水を買って、刺し盛りや焼き鳥などのお手軽料理ですが、チックが随分と抑えられるようになったので、とにかく美味しく感じられます。
大阪ショルダーセンターで術前検査として、造影検査と内科、麻酔科の診察を月曜日と火曜日に受けました。奈良医療センターの再診が金曜日のため、しばらくは、ゆっくりできます。あべのハルカスの16階には、私のようにベンチに腰かけて過ごす人たちがたくさんいます。ちょっとした憩いの場のようになっていて、建物を見下ろすロケーションのためか、幾分、空を近くに感じることができます。もうすぐ、パソコンのバッテリーが切れるので、帰って昼ご飯にしますが、ここまでよくなってくると、重度難病の治療生活といえど、多少は楽しいこともあるようになりました。以前は、そんな余裕などなく、普通に働けて、身体的な拘束を受けるような病気でない人達が羨ましいばかりだったのです。幾分かでも、気持ちに余裕を持てるようになったことは、大きな前進でした。明日は受診予定もないので、どこかに出かけてみようかな。